Hi-Liter

Hi-Liter

Released
Type
EP
  • Hi-Liter (5:16)
  • Another Hi-Liter (4:50)
  • Hi-Liter (Acoustic) (5:32)

Lyrics

Hi-Liter

緩やかにみるみる馴染む網を
場違いな気分隠して
なんとなく眺めてる

合図は暗い

幾重にも連なる
零時の狭間を越え
変わらないその言葉と
変えられない言葉を

合図は暗い

捉える捉える
どんな雑音でも捉えてみる日が
今はどんな雑音でも捉えてみる日が

これはそうだ
微かな記録
また会えるその日まで
バイバイ

合図は暗い

捉える捉える
どんな雑音でも捉えてみる日が
今はどんな雑音でも捉えてみる日が
捉える捉える
すれ違う瞬間を変えてゆく日が
それがどんな風に変わるのかを見たい

※ 後年に"Novel"として日本語で書き直したバージョンのテキスト。

Another Hi-Liter

黒い砂漠
目に溢れた
場違いな期待ふっと払う
あらゆる傷の正体

人間同士が
笑いながら踊る
ひび割れた薄い氷の上で
あらゆる傷の正体

能う 一度は胸に沁み入る血が
能う 一度は風をはらんでいた
能う 一度は夢に描いていた

※ 後年に"Timshel"として日本語で書き直したバージョンのテキスト。

Hi-Liter (Acoustic)

※ Track 1. Hi-Literと同じ。

Intro

2007年11月15日にリリースされたEP『Hi-Liter』は、『名画座番外地「新宿昭和館」傷だらけの盛衰記』(幻冬舎アウトロー文庫)』の著者、故・川原テツ氏のウェブサイトへ寄贈する形で制作された経緯があります。otomにとって特別な関係にあった川原氏との交流の中から生まれ、通常のotom作品とは少し異なるスタイルで制作。同一楽曲の異なるバージョンを収め、「同じ曲で、まったく違うことをする」という試みが形になった一作。

Note

『Hi-Liter』EPは、作家・川原テツ氏との交流の中で生まれた楽曲を中心に構成された実験的なEP。川原氏とは、氏が新宿昭和館退社後に勤務していた浅草の劇場で同僚として出会い、その後otomが単身でウェブ制作会社を立ち上げた際の制作依頼第1号として長くお世話になった経緯がある。この頃から未発表曲を含め、さまざまな楽曲を川原氏に送っていた時期もある。 タイトル曲『Hi-Liter』はクリーンから歪みまで表情を変えるギター、軽快なドラム、多層に重ねられたボーカルが特徴で、異なるバージョンとの対比も楽しめる。また、歌詞を変えずに「全く違うことをやる」という意図で制作された『Another Hi-Liter』や、ギターと歌だけの弾き語りトラック『Hi-Liter (Acoustic)』など、曲ごとに異なる響きを意識した構成となっている。

1. Hi-Liter

『Hi-Liter”は、作家・川原テツ氏のために制作された楽曲で、タイトルは川原氏が愛飲していたタバコ「hi-lite」に由来している。現代の状況に対する危惧や葛藤を内包した内容で、個人的な関係性の中から生まれながらも、より普遍的な感情へと開かれた一曲。 テンポはやや速めで、露骨になりすぎない程度にシューゲイズやマスロックの要素を取り入れている。弾むようなドラムを軸に、クリーンから歪みまで表情を変えるギターが幾重にも重なり、メロディアスなベースとともに楽曲を前へと押し出す。ボーカルは多層的にオーバーダビングされ、左右から響き合いながら、ギターとベースのラインと混ざり合うように配置されている。 要所ではフーガ的なフレーズを積み上げ、緊張と解放を意識した構成に。シンプルなポップソングの枠組みの中で、動きと奥行きを持ったサウンドを目指した楽曲。

後年、2021年に『Novel』とタイトルを改め、日本語詞へ書き換えたうえで再構築され、シングルリリースされた。

2. Another Hi-Liter

『Another Hi-Liter』は、今作EP制作時に、「歌詞を変えずに、まったく違うことをする」という意図のもとで生まれた楽曲。同じ言葉とメロディを使いながら、まったく別の感触を持つ曲を作ることを目指している。当時頻繁に聴いていたジーザス&メリーチェインやコクトー・ツインズの影響がそのまま音に表れている。コーラスを畳み掛けるように重ねる手法も、この曲から意識的に使い始めた。シューゲイズやドリーム・ポップの空気をまとったミドルテンポの曲で、浮遊感のあるギターと、幾重にも重ねたボーカルフレーズが軸になっている。ループのように反復するドラムパターンと、自由に動くベースの上に、それらのサウンドを積み重ねることで、『Hi-Liter』とは異なる音像を目指した。

後年、2021年に『Timshel』とタイトルを改め、日本語詞へ書き換えたうえで再構築され、シングルリリースされた。

3. Hi-Liter (Acoustic)

『Hi-Liter (Acoustic)』は、EPの一曲目『Hi-Liter』をギターと歌だけで再構築した弾き語りバージョン。シンプルな編成ながら、原曲のメロディや歌詞の表情を際立たせ、声とギターの繊細な響きが楽曲の感情を直接伝えるトラックになっている。

Outro

EP『Hi-Liter』は、川原テツ氏との関わりや異なる制作背景を持つ楽曲をひとつの流れとしてまとめた作品。クリーンから歪みまで変化するギター、多層のボーカル、緩急を意識した構成など、曲ごとに異なる響きを意識した一作。お楽しみください。

『Hi-Liter』はBandcampで配信中。高音質版の購入も可能です。