Hidden Sun

Hidden Sun

Released
Type
Album
  • Wonder Box (5:36)
  • Brilliant Sky (6:56)
  • Follow The Shadow (5:51)
  • Raindrops (in B) (8:30)
  • Animals (7:42)
  • How I Shoud Have Done (1:53)
  • Karma (7:27)
  • Love Song (10:00)
  • Suicide Is Painless (0:38)
  • Hidden Sun (6:40)
  • Winter Spins (3:17)

Lyrics

Wonder Box

Instrumental

Brilliant Sky

Instrumental

Follow The Shadow

Instrumental

Raindrops (in B)

Instrumental

Animals

Instrumental

How I Shoud Have Done

Instrumental

Karma

Instrumental

Love Song

Instrumental

Suicide Is Painless

Theme from M*A*S*H (1970) cover song written by Johnny Mandel, Michael Altman

Hidden Sun

三日月の朝に 目を覚ます
揺らめく水面に 囚われた光

夢現際の世界 ぼやけた視界
束の間の知識を 焼け付く記憶を

太陽に向かう 雲の柱を
ぼくは見た

虹色 灰色 灰色 虹色
重なる未来 重ねる

その時 誰もが瞬きしていた
その時 誰かが貫かれていた

太陽に向かう 雲の柱を
ぼくは見た

※ 後年に日本語で書き直したバージョンのテキスト。

Winter Spins

些細な会話な筈が歪む
赤色の赤色の
何かが光っている
そうしてためらいまた
都合次第な
返事を繰り返してる

合図する眠そうな振りに夜毎
土砂降りに土砂降りに
消えた街みたいに
目覚めた確信を奪い
都合次第な
返事を繰り返してる

渦巻く2人

※ 後年に日本語で書き直したバージョンのテキスト。

Intro

2008年7月7日リリースのotomによる4thフルアルバム『Hidden Sun』。通算10作目にあたる本作は、エレクトロニカやフォークトロニカ、アンビエントを軸に、ドローン、シューゲイズ、アコースティックなど多様な要素を内包した実験的なアルバムとなっている。 過去作の延長線上にある楽曲も含みつつ、音楽的に一つの作品としてまとめ上げることに特に苦心した一作。本作は、otom自身が強い手応えを感じている作品でもある。『Wonder Box』『Brilliant Sky』は特に思い入れの深い楽曲となっている。

Note

『Hidden Sun』は、過去に発表された楽曲や異なる制作時期の曲を含みながらも、一つの流れとして再構成されたアルバムとなっている。各曲はそれぞれ独立した背景を持ちながら、音の距離感や配置のバランスによって、アルバム全体としての統一感が意識されている。 本作では、ループを基点とした展開や、音数を抑えたアレンジが多く用いられ、楽曲ごとの表情の違いがより際立つ構成となっている。派手な変化よりも、時間の経過とともに生じるわずかな揺らぎや重なりを追っていくような心地良さへと導かれる作品。 制作面では、ギターとボーカルを主軸に据え、Digital Performerによるエディットを重ねることで楽曲を組み立てており、演奏の質感と構築的なアプローチが交差する仕上がりとなった。

1. Wonder Box

アルバムのオープニングを飾るインストゥルメンタル曲『Wonder Box』。ボイスとギターのループフレーズを用いたミニマルかつドローン的な構成で、フィードバックノイズやメロトロンのサウンドが浮遊感を強く印象づける。楽曲中盤からはエレクトリックピアノが加わり、各音像が次第に飽和していくような展開を見せる。

2. Brilliant Sky

『Brilliant Sky』は、オーバーダビングされたアコースティックギターとテンポディレイを特徴とするインストゥルメンタル曲。複数のコーラスが重ねられることで、広がりのあるドリーミーな音響空間を描き出している。本作の中でも、otom自身が特に気に入っている楽曲のひとつとなっている。

2020年には続編となる『Brilliant Sky Part II』をシングル作品でリリース。Part Iからの流れを受けつつ、ボーカルが加わり大きく展開する曲調。オーバーダビングした煌めくアコースティックギターやコーラス、スウィングした軽快なドラムス、粘るベースを土台に、象徴的なエレキギターのフレーズが重なる。Part Iのフレーズに帰結して曲は幕を閉じ、ボーカルのオーバーダビングを減らすことでより自然な表現を実現している。

3. Follow The Shadow

『Follow The Shadow』は、遠くへと引き込まれていくような感覚をもたらすインストゥルメンタル曲。ギターとドラムによるスローなループフレーズに、深くかけられたリバーブが重なり、包み込まれるような心地よさを生み出している。

4. Raindrops (in B)

『Raindrops (in B)』は、神秘的でメランコリックな雰囲気を湛えたインストゥルメンタル曲。オーバーダビングされたピアノのフレーズやリバースサウンドが静かな落ち着きをもたらし、やがて音が遠くへと消えていくような感覚を描き出している。本作の中でも、編集と構築に特に時間をかけて制作された楽曲のひとつとなっている。

5. Animals

『Animals』は、ギターとフィードバックによって構成されたドローン・インストゥルメンタル曲。柔らかく繊細な音色と深いリバーブが距離感のある空間を生み出し、やがて神聖さを感じさせるオルガンのサウンドが加わっていく。 本曲は、2006年発表の3rdフルアルバム『Hereafter』にも収録されている。

6. How I Should Have Done

『How I Should Have Done』は、2004年頃に制作された短いオルガン主体のインストゥルメンタル曲。部屋で録音されたギターとオルガンの音がそのまま活かされており、素朴で親密な空気感が印象的な一曲となっている。

7. Karma

『Karma』は、ドラマチックな展開を見せるインストゥルメンタル曲。静かなオルガンの音色から始まり、やがてオーバーダビングされたギターのフレーズが鮮やかに立ち上がっていく。本作の中でも、otom自身が特に気に入っている演奏のひとつとなっている。 本曲は『Animals』と同様に、2006年発表の3rdフルアルバム『Hereafter』にも収録されている。

8. Love Song

『Love Song』は、ボイスとリバース処理を施したギターのループを軸に構成されたアンビエント・インストゥルメンタル曲。約10分にわたって緩やかに展開する本曲に対して、2007年リリースの『Girl EP』ではオープニング曲としてショートバージョンが収録されている。時間の経過とともに音の層が重なり、静かな没入感を生み出していく一曲となっている。

9. Suicide Is Painless

『Suicide Is Painless』は、映画『M*A*S*H』のテーマ曲をカバーした短い楽曲。楽器は用いず、多重録音されたボーカルのみで構成されており、讃美歌のような静謐さと厳かな空気感をまとっている。原曲の旋律が持つ哀愁を、声だけによるシンプルな重なりで浮かび上がらせた一曲。 2007年リリースの『Girl EP』にも収録されている。

10. Hidden Sun

『Hidden Sun』は、静かに熱量を積み上げていく構成の楽曲で、本アルバムのタイトルトラックとなる。ローで太いベースとエレクトリックピアノのフレーズを軸に抑制されたトーンで始まり、徐々に音の密度と感情が重なっていく展開となっている。 全体の流れの中に溶け込むように配置されたギターやボーカルは、反復されるエレクトリックピアノのフレーズとは対照的に、時に静かに、時に激しく表情を変えていく。とある一日に見た夢を題材とした本曲は、穏やかで内省的な空気感をまとった一曲となっている。 本曲は、2005年リリースのEP『The Night in the Rainbow』に収録された同名曲を原曲とし、今作にも収録。2016年にはシングルとしてドラムフレーズを中心に大胆にリメイクされ、異なる表情を持つ楽曲として再構築された。

11. Winter Spins

『Winter Spins』は、スリーフィンガーによるアルペジオギターとボーカルを軸に構成された楽曲。本アルバムのラストトラックを飾る一曲で、2006年リリースのEP『Ride on the Cloud』でも最後を締めくくっている。短い楽曲ながら、リバーブの強弱やSEを効果的に用いた演出が随所に盛り込まれており、細部にまでotomの遊び心が感じられる一曲となっている。

Outro

多様な制作時期や背景を持つ楽曲を一つの流れとして編み直したアルバム『Hidden Sun』。 抑制されたアレンジと音の配置、反復や揺らぎを軸に据えることで、静かに没入していく感覚を大切にした作品となった。お楽しみください。

『Hidden Sun』はBandcampで配信中。高音質版の購入も可能です。