About
プロフィール
otom(オトム)は、東京〜千葉近郊を拠点に活動する音楽家 / 作曲家 / ギタリスト。1976年生まれ。1998年頃から音楽制作を開始し、2008年以降は現在の名義「otom」として継続的に作品を発表している。 宅録を中心に、Max/MSPやDAWを用いた音響処理を多用しながら、アコースティックサウンドやバンド編成による楽曲制作も継続的に行っている。
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音楽スタイルと制作環境
otomの楽曲は、エクスペリメンタル・ポップ、シューゲイザー、ドリームポップ、ポストロック、エレクトロニカ、アンビエントなどの要素を基盤に、テクスチャ重視の構成と空間的な処理によって展開される。
制作にはLogic Pro Xを中心としたDAW環境と各種楽器を基本としつつ、Max/MSPによる独自のリアルタイム処理パッチも併用。グラニュラー合成、ランダムトリガー、フィードバックループ、モジュレーション制御などを通じて、音響的な変化と偶発性を取り入れている。
演奏にはFender JazzmasterやGibson L-00などを使用し、Marshall Shred MasterやEHX
Holy Grail Maxなどを中心としたペダルを通して、アナログ段階での変調処理を加える。録音メディアとしてはカセットテープやオープンリールも一部導入しており、デジタル素材との質感のコントラストが作品内に反映されている。
音楽的影響
音楽制作の原点は、10歳頃に夢中になった映画音楽やザ・ビートルズにあり、旋律や音の広がりに対する関心の芽生えとなった。14歳頃にギターを始め、同時期に出会った1960〜70年代のロックやポップス──ビーチ・ボーイズ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ピンク・フロイド、ザ・バーズ、サイモン&ガーファンクルなど──のコーラス・ハーモニーの豊かさや空間的な広がり、浮遊感のあるサウンドに強く惹かれた。
その後、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインとの出会いがひとつの転機となり、続いてフライング・ソーサー・アタック、スロウダイヴ、ギャラクシー500、コクトー・ツインズといった、いわゆる“音響系ギターミュージック”を幅広く吸収。空間系エフェクトやループ処理、リズムの解体・再構築に対する興味が芽生えた。
また、ジム・オルークやトータス、フェネスzの存在はotomの音楽性に最も深い影響を与えており、ノイズと旋律、破片的な構造と感情的な深みが共存する作品群から、サウンドそのものの組み立て方について強く影響を受けている。その他、オヴァル、ウィリアム・バシンスキー、サード・アイ・ファンデーションといった電子音響作家のアプローチも、技術的・方法論的な面で参照している。
国内アーティストでは、中村八大と永六輔による楽曲群、荒木一郎、坂本龍一、井上陽水など、ジャンルや様式を越えて、楽曲そのものの完成度や構造において優れた作品に強い影響を受けている。
影響された音楽のプレイリスト
映画からの影響
otomの作品は、音楽的影響と同様に、映画からの影響も大きく受けている。特に、記憶・時間・空間の扱いに強い関心があり、オーソン・ウェルズ、アンドレイ・タルコフスキー、スタンリー・キューブリック、セルジオ・レオーネ、ルキノ・ヴィスコンティ、フランソワ・トリュフォー、ハル・ハートリー、岡本喜八、鈴木清順、新藤兼人といった作家たちの作品群から得た感覚が、音楽構造や音響設計に反映されている。
場面の切り替わりの曖昧さ、カットの残響、時間の持続といった映画的要素を、音としてどのように記録・再構成できるかは、otomにとってひとつの継続的なテーマとなっている。
また、こうした視点を記録し共有する場として、個人レビューサイト『filmontype』を運営中。音楽活動の一環として始めたブログだったが、近年は映画に関する記述が多くを占めるようになり、音楽サイトとの分離して運営している。
現在の活動と方向性
音源制作に加えて、BandcampやApple
Music、Spotifyなどのサブスクリプションサービスでの配信を継続しつつ、小規模レーベルの運営やWebメディアでの発信も行っている。近年は、日本語詞を用いたボーカル曲を中心に、ライブ演奏を前提としたバンド編成への再構築を視野に入れて活動している。
また、otom名義での音楽制作の傍ら、映画のサウンドトラック制作や、音に反応する映像作品の制作にも取り組んでいる。あわせて、各種ウェブ制作物の制作・開発も請け負っており、視覚と聴覚の両面から作品やプロジェクトを支える活動を展開している。